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M&A手法の基本知識

事業継承のためのM&A手法 ① 株式譲渡

事業継承のためのM&A手法 ① 株式譲渡

それでは、事業継承のM&Aについて詳しく具体的に見ていきましょう。今回は株式譲渡による事業継承M&Aです。株式譲渡によるM&Aは一般的に言っても最もわかりやすく取り組みやすい手法として多くの企業が採用しています。事業継承のM&Aということで、基本的には、100%譲渡になると思いますが、まずは株式譲渡全般について解説していきましょう。

株式譲渡によるM&Aの概要

株式というものは株式会社にとっては非常に重要なもので、特に株式総会などの経営方針を決定するうえで絶対に見逃せない仕組みです。

創業者や中小企業のオーナー会社のオーナーは会社の株式をほとんど持っています。

しかし、本来であれば株式会社は多くの人の資本を活用しながら大きくなっていきます。

そのほかの人たちの資本の取り入れ方が一般的にいう株です。

持株比率がポイント

さて、会社の意思決定や経営方針の決定においては持株比率というものが非常に重要なファクターになってきます。

持株比率が100%であれば、その会社の意思決定をすべてその人にまとめ上げているという状況になります。

66.7%以上、すなわち2/3以上の比率であれば、会社の存続や廃止、あるいは事業の譲渡といった会社の存廃を問うような意思決定をコントロールできるでしょう。

50.1%以上、すなわち1/2以上の比率であれば通常の会社運営に関する意思決定を、そして、33.4%以上、すなわち1/3以上であれば会社の重要な意思決定を阻止するために必要な比率となります。

そのうえで、今回は事業継承という視点なので、当然、現経営者や創業者の手から会社が離れることになります。

つまり、ここでいうところの100%の株を相手企業に手放すことになるでしょう。

それでは、この100%手放す方法についてのメリットとデメリットを見ていきましょう。

株式譲渡によるM&Aの現経営者のメリットとデメリット

株式譲渡によるM&Aの最大の特徴は、会社そのものには全く変化がないということでしょう。

そのうえで、創業者や現経営者は、株式の売却益をそのまま手に入れることができます。

また、相続や会社の売却に対する説明責任などについても、法的な問題はほとんどありません。

経営者の望むタイミングで発表することができます。

ただし、多くの場合は、M&Aの契約に合意が取れた段階で、現経営者や創業者の引退発表という形で、従業員や取引先には説明することが多いようです。

このように、法的な方法や定められた煩雑な方法をとることなく、その人に合ったやり方を採用できるという点も非常に大きなメリットといえるのではないでしょうか。

こうしてみると、現経営者側にデメリットはほとんどありません。

最も採用されている理由がよくわかるかと思います。

株式譲渡によるM&Aの相手企業のメリットとデメリット

株式譲渡によるM&Aの最大の特徴である、会社そのものには全く変化がないということは、相手企業にとってもそのままメリットとなります。

会社を一度壊したり事業再編したりするなどの場合は、組織図の変化や従業員の異動など非常に多くの労力がかかりますが、株式譲渡はまさに所有権の移転以外の何物でもない以上、問題は発生しません。

さらに100%株式を取得することになるため、今までの従業員との関係悪化による会社の暴走などの予期せぬ事態を発生させることもないでしょう。

ただし、株式譲渡による完全な所有権の移転は、同時に購入する企業の不正や違法行為などもすべてありのままで継承することになります。

そのため、契約前のデューデリジェンスや中小企業診断士・弁護士などによる事前審査などを厳しくするなどして、徹底的に洗っていく必要があるでしょう。

M&Aで最も採用される手法が株式譲渡

株式譲渡は会社の所有権の移転となります。

現経営者にとっては株の売却利益を得、また買う企業側にとっては、会社を変化させることなく手に入れることができるため、その企業のノウハウや取引先、技術などをそのまま受け取ることができます。

お互いにとって非常にメリットが多く、かつ法的な手続きも難しいものではないため、素早く行うこともできるでしょう。

このようにお互いのメリットが大きい点がまさに最も採用されている理由です。

一方で、買い手側としては審査基準などを高く設けるなどの注意点もあり、最初のうちは株式譲渡での事業継承というのはなかなか交渉が進まないのではないでしょうか。

お互いにとって納得できる事業継承の図を描くことが、失敗しない事業継承には必須です。