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「M&Aによる事業承継講座」その7

買い手候補探しの最終段階!売り手・買い手のトップが行う面談&交渉とは?

買い手候補探しの最終段階!売り手・買い手のトップが行う面談&交渉とは?

M&Aによる買手候補探しが数社程度にまで絞り込まれると、いよいよ売手側・買手候補企業のトップによる面談、そして交渉のプロセスへと進みます。 M&A交渉というと、一般的には売手側・買手側企業による激しい駆け引きを連想しますが、中小企業のM&Aではそのような交渉はほとんど見られません。 基本的には双方企業のトップによる信頼関係を築くことが最も重要になります。そして、双方企業が「win-win」の関係となるようなM&Aを目指します。 それではトップ面談・交渉について詳しく見ていきましょう。  

売り手と買い手が直接コンタクトをはかるトップ面談・交渉

中小企業のM&Aでは売手側・買手側双方のトップの信頼関係の構築が大前提となります。そのうえで面談・交渉に入っていくわけです。

これが大企業などのM&A、とりわけ外国企業を対象としたM&Aでは、初対面でいきなり双方が自社の立場を主張し、丁々発止の交渉に入ることも珍しくありません。

その結果、売手側・買手側いずれかが不利な「win-lose」、「lose-win」といった関係となるM&Aが少なくありません。かつての「ハゲタカファンド」といった外資系の投資ファンドによるM&Aがその代表です。

一般的な中小企業のM&Aは相互理解から

中小企業のM&Aの場合、最初の面談ではいきなり自社の売却価格や売却条件、あるいは買収価格、買収条件といったものを前面に出すことはありません。

和やかな雰囲気の中で、双方トップの経営理念や経営に対する取り組みなどを聞き、お互いの人物像といったものの理解から入っていきます。

そして交渉の場合でも、相手側の立場に立ちながら自社の要望を述べ、適当な落とし所といったものを探りながら、双方が「win-win」の関係になるよう交渉を重ねていきます。

トップ面談を行ううえでの留意点

トップ面談・交渉の前段階の買手候補探しでは、M&Aアドバイザーが中心となり「バリュエーション(企業価値算定)」や「ノンネームシート」、「IM(インフォメーション・メモランダム)」の作成・提示と案件探しを行いましたが、トップ面談・交渉ではM&Aアドバイザーは仲介役であり、主役は売手側・買手側双方トップになります。

トップ面談では信頼関係が大切ですから、特に初回の面談ではお互い相手に好印象を与えられるようにしなければなりません。

服装、髪型、言葉遣い、そして笑顔で相手に対して好意的な態度で接するといった基本的な心構えが大切です。

相手の理解と信頼を得ることを第一に

買手候補側では、すでに開示情報により売手側企業についてある程度知っていますが、売手側企業では、まだ買手候補企業について何もわかりません。

買手候補側が自社の案内書、パンフレットといったものを持参して説明することで、買手候補企業への理解とトップへの信頼感を共有することができます。

また、売手側企業でも、買手候補企業が開示情報だけではわからない事項については、笑顔で誠心誠意答え、その場で解答できないことは、後日調べて返答するといった相手への気遣いが必要です。

逆に、初対面でいきなり高額な売却価格、安価な買収価格といった一方的な売買条件を出してしまうと、相手に悪い心象を与えてしまうことになり、最悪その時点で、面談がブレイク(破綻)しかねません。

売買価格などは、M&Aアドバイザーを通し、相手に打診するといったほうがいいでしょう。

その後の面談

事前にM&Aアドバイザーと話し合い、議案について協議してすり合わせを行っておくと面談がスムーズにいきます。

はじめての面談と同様、2回、3回と会談を重ねて行く際にも相手への気遣いが大切です。

慣れていくに従って相手への態度がそっけないもの、あるいは横柄なものになりがちですので十分気をつけなければなりません。

トップ面談による信頼関係の形成により売手側トップは、「この会社なら売ってもいい」と考え、また、買手候補側企業のトップも「この会社なら買いたい」と思うようになります。

そして次のトップ交渉で、特定の企業に絞られ、その後最初の契約である「基本合意」へとプロセスを進めることができるようになります。

トップ交渉を行ううえでの留意点

トップ面談により売手側・買手側双方トップに信頼関係ができると、いよいよ本格的な交渉となります。

交渉では、双方トップが本音を全面にだしてきますから、互いの利害が対立することも少なくありません。

スムーズな着地に向けてとるべきスタンス

まず対立するのが売買価格です。

売手側トップは少しでも高く売りたいと考え、買手候補企業トップはできるだけ安く買いたいと考えます。

だからといっていきなり法外な希望売却価格や希望買収価格を提示しては、交渉がブレイクしてしまいます。

バリュエーション(企業価値算定)による現実的な価格を提示し、相手の立場への理解が必要です。

トップ交渉での争点は、企業価値だけではありません。それ以上に重要なものが売買対象の売手側企業と従業員への対応です。

長年手塩にかけて育ててきた会社、事業、そして従業員をしっかりと引き継いでもらえるかどうかが極めて重要な交渉の争点です。

こういった争点を総合的に交渉し、双方が納得した落とし所を探ることが重要です。

まとめ

M&Aプロセス全体にいえることですが、M&Aアドバイザーはサポート役です。

主役はあくまでも売手側企業トップであり、買手側企業であることを肝に命じておく必要があります。