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後継者の問題で悩む企業も多い

事業継承と継承教育の関係性と難しさ

事業継承と継承教育の関係性と難しさ

事業継承問題について、最も大きな壁として多くの人が認識しているのが後継者の教育の問題ではないでしょうか。後継者教育については、事業継承をサポートする政府の中小企業庁もかなり注目している点です。後継者教育の何が難しいのかについて、まとめてみましょう。

誰もが躓く継承と教育

事業継承で最も重要なのは後継者選びですが、100%任せられる・期待できるという後継者はいないのではないでしょうか。

というのも、もしそういう人材が存在するとしたら、多くの場合はその人は自ら会社を設立してしまうもの。

加えて、会社独自の息遣いとでもいうべき文化はどの会社にもあり、それを十分に理解していないとどれだけ能力が高くても上手くいかないことが多いでしょう。

そう考えた時に、もともとある程度の能力がある人に継承できるだけの教育をしていくというのが一般的な考えとなっています。
  

継承のための教育とはどのようなものなのか

継承のために必要な教育とはどんなものなのでしょうか。

ここでは、大きく2つに分けて考えてみたいと思います。

会社はどのような形態であろうとも、基本的には営業や現場といったチームと、経理や人事といったバックオフィスチームに分かれています。

それぞれ考えてみましょう。
  

継承のための教育① 営業や現場経験

ある程度の規模になっている会社では、多くの場合、営業や現場の業務フローはかなり細かくかつ継承可能な一般的なスキルになっているのではないでしょうか。

少数のエースが売り上げの大半を占めているといった会社では、そもそもこうした現場という分け方が出来ません

営業経験や現場経験が浅いと感じられる人が後継者の場合は、どの様にそれを教育していけばいいのでしょうか。

これは、基本的には現場に降りるべきであるといわれています。

現場の経験は勉強ではどうにもならないのでしょう。

そこに働く人たちの息遣いなどが、結局最終的に影響してきます。

また、出来ることでしたら、末端の仕事とマネージャーの仕事が一緒に経験できると良いでしょう。

もしよければ新規事業などを任せてみるのも手です。

新規事業は、ある程度新しい会社・仕組み作りとも言えるため、そこである程度の結果が残せれば他の人たちがついていき易くなります。

会社は1人では動かないため、後継者以外の人たちがどの様に感じるのかということを意識しながら教育を進めていくべきです。
  

継承のための教育② バックオフィス

営業とは違い、バックオフィスは厳密さや毎日のフローを同じペースでこなしていくことが求められます。

社内における後継者の多くは、営業成績が良かったり新規事業の立ち上げに参加したりと、営業や現場経験の強い人が多くなかなかバックオフィスまでは気が回らないものです。

しかし、実際社長のすることといえば、むしろ会計や予算計上などのお金に関わるバックオフィスに近い仕事が多いもの。

こうした経験がない場合は、現場に放り込んで経験を積むというよりも、むしろ会計に関わる資格の勉強などをさせてみるのも手でしょう。

会計に関わる資格はかなり多いため、簡単に取れる資格もあればかなり勉強しないといけない資格もあります。

以下に挙げるものなどを参考にしてみてください。

  • 初級編:商業経済検定・証券外務員一種・日商簿記3~4級
  • 上級編:日商簿記2級・中小企業診断士

初級編は、あまり経営とは関係ないと考えられるかもしれませんが、会社法や会社にまつわる初歩的な知識を整理するには非常に向いている資格です。

また、簿記の知識があるかないかで、バランスシートの見方や経費の考え方が全く変わってくるのでぜひ勉強した方がいいでしょう。

上級編に入れた中小企業診断士は、一見経営には関係なさそうですが、何か問題があった時の対応が良くなります。

事業継承には必ずトラブルがつきものですので、こうした一種のコンサルタント的な発想を養っておくことは、その後の安定経営の一助となるでしょう。
  

教育のむずかしさ

事業継承のための教育を見てきました。この教育というのは非常に難しく、上手くいかないと勉強したことを利用して独立などの危険もあると考えてしまいがちです。

教育コストがそのままリスクコストとして跳ね返ってくるわけですね。

こうした教育を避ける方法の1つとして、M&Aによる事業継承という発想もあります。

しかし、この方法は時に会社を吸収合併するといった場合もあれば、税金や会計に経営者自身がかなり詳しくなければならないといった難しい部分もあり得ます。

失敗しない事業継承のための準備はどのような形であれ、進めておくべきことであることは間違いありません。