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「M&Aによる事業承継講座」その2

M&Aによる第三者への承継って?

M&Aによる第三者への承継って?

団塊の世代も70歳を超え、リタイアを考えるとき、大きな問題となるのが事業承継です。 超高齢化社会となる我が国において、大多数を占める中小企業の廃業が心配されるところです。 このような時代背景のもと、近年注目されているのが「M&Aによる第三者への承継」です。 一昔前までは大手上場企業が行ってきたM&Aですが、企業存続のため中小企業も行うようになってきました。 今回は、M&Aの概要について述べていきます。

M&Aによる事業承継

中小企業の経営者や個人事業主にとっての最後で最大のイベントが出口戦略としての事業承継です。

この事業承継には、古くから行われてきた、子供などへ引き継がせる「親族内承継」と、自社の役員・従業員に引き継いでもらう「親族外承継」などがあります。

しかし近年は、急激な少子化から後継者の減少、また子供たちも会社や事業を引き継ぐ意思がなかったり、経営者としての才覚がない、さらに経営者自身も子供たちに経営の負担をかけたくないといった理由から「親族内承継」は激減しています。

「親族外承継」にしても、経営の負担を担いたくない、また、経営者も引き継ぐための経済的負担を従業員に負わせるのは心苦しいといった理由から、思ったほど利用されていません。

このような状況のもと、近年注目されているのが、「M&Aによる事業承継」です。

解散や廃業をすることなく、会社・事業を存続させ、従業員の雇用も維持でき、そのうえ経営者自身も多額の売却代金が手に入るといった事業承継方法がM&Aです。

では、M&Aとはどのようなものか具体的に見ていきましょう。

M&Aとは

M&Aは正式には「Mergers and Acquisitions (マージャーズ&アクィジションズ)」といい、日本語では「合併・買収」などと呼ばれます。

その歴史は古く、我が国でも明治時代から行われています。大企業などがある業界を独占化・寡占化するために利用することが多かったようで、造船業界、鉄鋼業界などが代表的です。

その後も大企業を中心に行われ、バブル期には海外の企業を対象に実施されたこともありました。バブル崩壊後は、経営難に苦しむ大手金融機関の統廃合のために利用されていたこともあります。

2000年代に入ると、海外投資ファンドが盛んに上場企業にM&Aをしかけました。

その時によく耳にしたのが「ハゲタカ」、「買い叩き」、「敵対的買収」といったものです。こうしたネガティブな言葉により、一時期M&Aに対する悪いイメージが広まってしまいました。

その後、こうした動きも下火になり、一方でM&A業界団体などの「M&Aセミナー」などの講習会、勉強会の定期的開催などによる啓蒙活動により、M&Aに対する理解が深まるとともに、前述のような悪いイメージも払拭されました。

その結果、現在のM&Aは、売手側企業も買手側企業も双方が「win-win」の関係である「友好的買収」となっています。

ところで、一口にM&Aといってもさまざまな手法があります。ちなみにM&Aの手法を「スキーム」と呼びます。また、特定のスキームを設定しM&Aを計画・実行していくことを、「M&Aストラクチャリング」といいます。

M&Aのスキーム

M&Aのスキームは多くの種類がありますので、以下、簡単にまとめておきます。

この図で「支配権」というものがありますが、これは売手側企業の「経営権」のことです。

一般的なM&Aでは、買手側企業が売手側企業の経営権の取得を目的として行われます。図の①〜⑥のスキームがこのM&Aに当たります。

「合併」のように買手側・売手側双方の企業がひとつに統合されたり、「会社分割」から「新株引受」のように買手側企業の下に売手側企業を置き、子会社化したり、グループ会社化してその傘下に置いたりしながら経営を支配していくものです。

これに対して、経営権の取得を目的とせず、複数の企業が「提携」といった緩やかな協力関係をとる場合もあります。⑦〜⑨のスキームがそれで、各々が独立した経営体となっているところに特徴があります。

これら複数のM&Aスキームで、中小企業などが利用するものとして「株式譲渡」、「事業譲渡」があります。特に「株式譲渡」は、中小企業や小規模事業との相性がよくメリットも多いことから、最も利用されるスキームです。

M&Aによる事業承継のメリット・デメリット

M&Aによる事業承継のメリットについては、冒頭で少々述べましたが、デメリットも含め、もう少し詳しく見ておきましょう。

M&Aによる事業承継のメリット

M&Aによる事業承継のメリットは、まず、事業を引き継いでもらえる相手の選択肢が大幅に増えることです。親族や従業員といった狭い範囲にとらわれず、多くの企業や事業主が対象となります。

次に、会社・事業が存続でき、従業員の雇用も守られることです。解散・廃業では、こうしたことは不可能ですから、このメリットは大きいものです。さらに、自社の事業が買収先企業のもとで発展できる可能性もあります。

そして、売手側経営者に直接・間接的に売却代金が入ってくることもメリットといえるでしょう。

M&Aによる事業承継のデメリット

デメリットとしては、異なる企業同士による再編であったり、協力関係となるものですから、時間、コスト、そして思わぬ摩擦、あつれきといったことが起こり、期待していたほどの効果が出ないといったことが少なからずあることです。
 
 
今回は、最近注目されているM&Aについて解説しました。

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