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「M&Aによる事業承継講座」その6

M&Aアドバイザーを得て本格始動!『買手候補探し』のプロセス

M&Aアドバイザーを得て本格始動!『買手候補探し』のプロセス

M&Aによる事業承継で最も利用されるスキーム(手法)は、「株式譲渡」と「事業譲渡」です。 そして、これらスキームのプロセスの手順については、「M&Aによる事業承継講座」その3のフローチャート図で示しました。 今回は、前回の「M&Aアドバイザーとの契約」を受けて、「買手候補探し」のプロセスを見ていきます。

買手候補探しのプロセス

M&AアドバイザーとのFA(ファイナンシャル・アドバイザー)契約を締結したあと、具体的に何が行われるべきか?見ていきましょう。

買い手探しにあたり具体的なアクションを起こす前のプロセス

M&Aアドバイザーは売手側企業から、直近3〜5年ほどの財務諸表(決算書)や会社案内といった資料の提出を求めます。

これらをもとに「バリュエーション(企業価値算定)」を実施し、おおよその売却可能額を把握します。

また、会社案内などの資料により買手候補企業向けの「会社概要書」といった開示情報を作成します。

M&Aアドバイザーは、上記のような開示情報や希望売却価格などをもって、さまざまなルートから買手候補を探していきます。

買い手候補を絞り込むプロセス

M&Aアドバイザー自身が買手候補となりそうな企業、事務所、時には個人店舗といったところまで一つ一つ探し回ったり、提携している金融機関、公認会計士、税理士といった専門家に依頼したり、ほかのM&Aアドバイザーから案件を紹介してもらいながら、買手候補をあげていきます。

こうして売手側企業に関心を示した買手候補企業を50〜100社に絞り込みます。

その後、売手側企業と相性の良さそうな企業を対象にさらに10社程度にまで絞ります。

M&Aアドバイザーは、売手側企業名を公表(ネームクリア)したり、より詳しい内容の売手側企業情報を開示します。

この開示情報が「IM(インフォメーション・メモランダム)と呼ばれるものです。ここからさらに買手候補企業を2、3社程度にまで絞り込みます。

買い手候補が絞り込まれて以降のプロセス

その後、M&Aアドバイザーを間に置き、売手側・買手側双方トップによる面談へと進んでいきます。

ここから特定の1社に決定すると、その買手候補企業から「意向表明」といった本格的なM&Aを行う旨の意向表明がされ、はじめて「基本合意契約」の締結となります。

このように、M&AではM&Aアドバイザーとの契約後、ただちに売手側企業が希望する買手側企業が見つかるというものではありません。

一定のプロセスを経ながら買手候補を探し、徐々に絞り込みながら特定の買手側企業を決めていくものなので、相当の時間がかかるということを認識しておかなければならないのです。

肝となるのは買い手候補への開示情報

M&Aアドバイザーを介した買手候補探しの中で重要なものが、先のも述べた「バリュエーション(企業価値算定)」と「ノンネームシート」・「IM(インフォメーション・メモランダム)」といった買手候補への開示情報です。

バリュエーション(企業価値算定)と希望売却価格

バリュエーションとは、売買対象である売手側企業がいくらで売れるかといった売却価格のベースとなる数値を計算する作業です。

売手側企業では、このバリュエーションによる数値に超過収益力としての「のれん(潜在的な企業価値)」といったものを上乗せして、具体的な希望売却価格を提示します。

具体的な希望売却価格があれば、買手候補側でも買収予算と比べて検討してみようと考えることができますが、価格表示がないと不安になってしまい、買収対象企業として検討してもらえなくなってしまいます。

たとえていえば、寿司屋さんで表示が時価とされているお店と、高くても値段が表示されているお店のような感じです。

高くても値段が表示されていればオーダーしようかどうかお財布と相談して決めることもできますが、時価ではこわくて尻込みしてしまいます。

また、企業価値に上乗せする金額としては、5年分あまりの純利益を加算するといったものが最も簡単な方法として利用されています。

ノンネームシートとIM(インフォメーション・メモランダム)

「ノンネームシート」とは、売手側企業が最初に開示する自社についての情報で、A4サイズの1ページ程度の企業概要書です。

主な内容は、秘密厳守と明記した上で、「概要」として事業内容、営業拠点、従業員数、自社の事業の特徴、売却理由を、「希望条件」としてM&Aスキーム、希望売却価格を、そして「財務状況」として直近3年分の売上高、経常利益、その他の注意事項となっています。

このノンネームシートに関心を示した企業を50〜100社ほど記した「ロングリスト」といったものを作成し、その後、売手側企業の条件に合う候補企業を選別し、10社前後の「ショートリスト」を作成していきます。

次に「ネームクリア」といった売手側企業名の公表と「IM(インフォメーション・メモランダム)」といった30ページほどの詳細な売手側企業情報を開示、より関心を示した数社について、次のプロセスであるトップ面談、そして交渉へと進んでいきます。

まとめ

中小企業などのM&Aによる事業承継で最も重要なことは、自社の事業承継の目的に合った買手候補企業を探すことです。

たしかに少しでも高く買ってもらえそうな企業探しも大切ですが、それ以上に自社のM&A目的と相性の良いM&A目的を掲げている企業とのマッチングを第一に心がけるべきでしょう。