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「M&Aによる事業承継講座」その15

M&A戦略の目的とそのメリット・デメリットは?

M&A戦略の目的とそのメリット・デメリットは?

近年、M&Aという言葉をよく耳にするようになりました。 M&A(Mergers And Acquisitions)とは、日本語にすると「合併・買収」と表されます。 いくつかの企業が統合合併してひとつの企業になったり、ある企業がほかの企業の株式や事業を買い取って自社の傘下にすることをいいます。 今回は、M&Aがなぜ行われるのか、そのメリットは何かといったことにスポットを当て解説していきましょう。

M&Aの変遷と今後の動向

M&Aの目的やメリット・デメリットを見ていく前に、少しM&Aについての変遷、意義などにつて押さえておきたいと思います。

M&Aは、古くは明治時代から戦前に遡ります。主に財閥による産業の集約化、寡占化などを目的に行われていました。

そして戦後のバブル期に最も盛んになり、外国企業を対象とした「クロスボーダーM&A」なども行われました。

メディアが生んだマイナス面が注目されるも現在は前向きな策に

以降、さまざまな法制度、体制などが整備され、M&Aは2000年初頭にピークを迎えます。

「ハゲタカファンド」や「敵対的買収」、「買い叩き」などといったネガティブな言葉で表現されるようになったのもこの頃。

リーマンショックで、一時下火になったM&Aですが現在では、大手の企業はもちろん、中小企業、小規模事業までが、「友好的買収」といった形で積極的に利用するように。

この動向により、それまでのマイナス寄りのイメージも払拭されました。

ここのところは、後継者難や経営者の高齢化したことによる人手不足などから、再び活発になってきました。

今後もしばらくは、経営者の高齢化や後継者難、人口減少による生産人口の先細りなどの構造的な問題から、さまざまな形でM&Aが盛んに行われることが予想されます。

M&Aの意味、内容、手法

広域には、事業や経営権などを移転せず、資本や業務面で協力するといった、提携関係(アライアンス)を築くものまで含めるものまでを含めて指すことがあります。

一般的なM&Aは、事業や経営権などを移転する内容や手法を意味するため、狭義の解釈とも言えるでしょう。

主な M&Aスキーム(手法)

ここでは、代表的な3パターンをあげます。

①合  併…複数の会社が統合して一つの会社になるもの。
②買  収…株式譲渡や事業譲渡、第三者割当増資など。
③会社分割…会社が事業全部、一部を分割し他の会社に移すこと。

M&A戦略の目的

M&A戦略の目的については、「売手側企業」と「買手側企業」とではまったく違ったものになってきます。

したがってM&Aは、「売手側企業」と「買手側企業」の立場に分けて見ていくとわかりやすいので、双方の立場から見ていきます。

「売手側企業」のM&A戦略の目的

●事業を承継する対策の一環
●余剰資源を売却して事業の選択と集中を図る
●事業を再生する手段
●オーナー経営者の利益獲得(売却益)の手段

「買手側企業」の M&A戦略の目的

⚫︎既存の事業を拡大するための手段
⚫︎新規事業を展開するための手段
⚫︎事業のシナジー(相乗)効果を出すため
⚫︎優れた人材、技術、ノウハウなどを取得するため

M&Aのメリット・デメリット

こちらも「売手側企業」と「買手側企業」に分けて見てみましょう。

「売手側企業」のメリット

●清算・廃業せず、事業存続が可能になるという将来性の確保ができる
●従業員の雇用の維持・安定が見込める
●経営基盤の強化が図れる
●不採算分野を切り離すことができる
●経営者としての責任から解放され自由になれる

「売手側企業」のデメリット

●経営者としての権限を失う
●経営者としての肩書きはもちろん、社会的地位を失う
●役職がなくなることで疎外感や時間を持て余す状態に陥る
●予想とは違う不本意な経営方針を強いられる

「買手側企業」のメリット

●時間をや手間をかけずに、人材、技術、ノウハウなどを手に入れることができる
●事業範囲を拡大することができる
●商圏エリアを拡大することができる
●経営の効率化が図れる
●競合他社に対する競争優位が期待できる

「買手側企業」のデメリット

●多額の買収資金が必要
●当初の計画通りに進まないこともある

「売手側企業」、「買手側企業」以外に影響は出るのか?

ここで触れてきたメリットとデメリットは、売り手企業と買い手企業両者関係各先にも及ぶことも少なくはありません。

具体的には、従業員、取引先、顧客等、様々な利害関係者への影響が考えられます。

できるだけ、スムーズかつスマートな着地に向けて進めていきたいものですね。

まとめ

M&Aは、思いのほか成約率が高くない現実もあります。

これにはいろいろな要因がありますが、ひとつは「売手側企業」の売却希望価格が高すぎること。

「買手側企業」にとっては、高額なわりには、売買対象企業に事業上の競争優位や経済的価値を見出せないなど、経営戦略上の目的や金額面での齟齬(そご)が影響しているようです。

とはいっても、M&Aはこれからの我が国の企業にとってなくてはならない経営戦略上、有効な手段になることは確か。

一生に何度もない M&Aですから失敗することのないよう、また、合併や買収したあとで悔やまないよう、専門家などにも意見を求めながら、メリット・デメリットも十分に知った上で、慎重に進めることが大切です。