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M&A手法の基本知識

事業継承のためのM&A手法 ⑥ 会社分割

事業継承のためのM&A手法 ⑥ 会社分割

M&Aによる事業継承を考えると、多くの場合が株式譲渡か事業譲渡となります。しかし、今回ご紹介する会社分割については、実質的に得られる効果が事業譲渡方式とよく似ており、基本的には会社そのものの再編となるため、事業継承という視点からすると選択肢の一つに上がってくる手法といえるでしょう。また、会社を分割して採算性を明確にすることもできるため、買い手側の企業とも明確な目的を持ったコミュニケーションを構築できます。

会社分割による事業継承

会社分割とは、会社が有する権利義務の全部または一部をほかの会社に包括的に継承させるM&A手法を指します。

こういうと、事業譲渡とほとんど変わらないように見えるかもしれませんね。

対象となる事業に伴う様々な義務や権利については、分割された際に引き継がれます

簿外に存在する資産や負債も原則として引き継ぐことになるのです。

会社分割では新設分割と吸収分割の2つに大きく分けることができます。

新設分割とは、今ある会社とは別に新しい会社を設立し、新しい会社に事業の一部または全部を継承させる方法です。

吸収分割とは、切り出した法人を既存の別会社に直接吸収させてしまう方法を指します。

どちらも、原則として債権者保護手続きが必要になり、株主総会の特別決議が必要です。

会社分割による手続きはかなり厳格に定められています。

例えば、必要となる株主総会の特別決議については、取締役会での決議から招集通知の発送、総会の開催、決議の内容の告知まですべての期間が法律で定められています。

弁護士などの法律の専門家の知見は必ず必要となる手法ととらえてください。

会社分割における、現経営者側のメリット・デメリット

会社分割におけるメリットは、大枠は事業譲渡方式と同等です。

そのため引退資金として大きな金銭が得られる、個人補償や担保、負債なども相手側に引き継いでもらうことができるなどのメリットが挙げられます。

しかし、それ以上に、債権者や従業員の個別同意を得る必要がない点が大きいでしょう。

作業コストの圧縮だけでなく、事業を畳むときの最も心理的負担の大きな従業員の扱いもスムーズに進みます。

自社の事業を選択的に分割するため、事業ごとに分けて考えられる、優良部門と不採算部門を明確化できる、将来の施策を打ちやすくなるなどのメリットも出てきます。

一方、デメリットは、多くありませんが、法律的なやり取りが多い方法のため、必ず専門的な知識を持った弁護士や税理士などと相談しながら進めていくことをお勧めします。

また、会社自体の大きさによっては、会社分割ではなく事業譲渡として見られる場合もあり、そうした判断は専門家の知見がなければわからないものです。

会社分割はかなりメリットの大きな手法なので、むしろ焦らず慎重に行っていくことをお勧めします。

会社分割における買い手側のメリットとデメリット

買い手側のメリットとデメリットについても見ていきましょう。

この最も大きなメリットは、事業譲渡方式と同等の効果を得られるうえに、譲渡を受ける手続きにおいて債権者や従業員の個別同意を得る必要がないことです。

こうした個別合意をとっていく中で、従業員のモチベーションが低下したり、最悪離職につながることはよくあること。

会社再編の中で、今まで経験のある社員を手放してしまうことは、買い手側としてはかなりのリスクになるのです。

また、対象事業が締結していた契約関係などもそのまま継承されるため、事業価値を棄損させたり取引先との関係が悪化したりということもあまりありません。

免許や業許可に関しては、個別に関連法が存在することもあるので必ず確認してみてください。

デメリットとしてはやはり事業に関することすべてを引き継がなければならないことであり、簿外債務などがあった場合のリスクが大きいということでしょう。

また、課税関係も事業譲渡方式に比べ煩雑になるため、弁護士や税理士などの専門家の力が必ず必要になります。

加えて、法律で定められた期間というものがあります。

M&Aの合意が経営者同士で得られても、そこから必ず定められた期間は最低必要になるため、スピーディなM&Aが不可能という点もデメリットとして必ず挙げられるでしょう。

会社分割と失敗しない事業継承

会社分割によるM&A手法を見てきました。

失敗しない事業継承ですが、やはり十分なコミュニケーションと情報収集、そして専門家の助言は欠かせないでしょう。

会社分割に関しては、特に税金関係や必要な手順といった部分で、専門家の力が必須になります。

ぜひ、自分の伝手などをフルに活かして、失敗しない事業継承を目指してみてください。

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