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M&A手法の基本知識

事業継承のためのM&A手法 ⑧ 第三者割当増資

事業継承のためのM&A手法 ⑧ 第三者割当増資

第三者割当増資によるM&Aは一般的に事業提携や資本業務提携の際に用いられますが、この事業提携のスキームを利用して事業継承に活用することもできます。売り手側企業、すなわちこちらの会社が新しく株式(新株)を発行し、その新株を買い手側企業が引き受けることで直接資金が入り、資金調達が可能になります。この仕組みをうまく活用することで財務状況や株式の保有率などを確認しながら資金を調達できるため、使い方次第で非常にメリットの大きな施策になりえるのです。

第三者割当増資の概要

一般的に会社は資本金を基に起業され、そして設備や雇用などを生み出します。

資本金が売り上げや利益の元ともいえるでしょう。

株式とは、この資本金を出資した権利を示し、すでに発行されている株式の売買は、会社にとっては株主の変更を意味しています。

一方、第三者割当増資の場合は、法人が新株を発行しそれを誰かが買い取ることで、法人にお金が入ってきます。

この新しい株式の価額は、売り手と買い手が協議したうえで決定されます。

このやり取りは完全な取引によるやり取りであり、利益でも贈与でもないため、増資額そのものに対する課税は発生しません。

調達した現金をほぼすべて、会社の資本金として活用できます。

ただ、当然、新株を発行することで新しい株主が出てくるということは、今までの株式の持ち分比率やステークホルダーの増加につながります。

こうしたメリットデメリットをうまく活用することで、安全な資本調達が可能になるというのが一般的な第三者割当増資の概要です。

第三者割当増資と事業継承

第三者割当増資において、1株あたりの相続税評価額より少ない金額での価額決定を行った場合、株価の下落は決定的なものになるため、実質的に持ち分移転した場合と同様の効果が生じる場合があります。

株式を譲渡すれば譲渡所得税が発生しますが、第三者割当増資はあくまで増資

増資は株式の譲渡を行わないため税負担生じません。

これを利用し、現経営者と後継者の間の株式の割合をコントロールすることで事業継承の下地を作ることができます。

第三者割当増資における現経営者側のメリットとデメリット

第三者割当増資の手法においては、自主的な資本政策に基づいた意思で行われる限り、大きなデメリットは存在しません。

資本到達による財務状況の海鮮や出資者との協力関係の構築など一般的には良いことに目が行くのではないでしょうか。

この場合の資本政策とは主に株主の持ち株比率による経営の意思決定の問題を指すことが多いでしょう。

この持ち株比率のコントロールさえうまくいくのであれば、第三者増資におけるデメリットは存在しないといえるでしょう。

一方、このコントロールがうまくいかない場合や、買い手があまりにも特殊で強い相手である場合では、実質上の乗っ取り(資本政策の罠)が発生することがあります。

どのような相手であっても、持ち株比率のコントロールをしっかりと把握し、企業の決定権を積極的に守っていく必要があるでしょう。

そうしたことをしっかりと把握してうまくこなすことで、経営者の引退資金を作り上げることは比較的容易といえるでしょう。

第三者割当増資の買い手側のメリットとデメリット

第三者割当増資という手法だけでは、売り手側企業の100%株主となることはできません。

少なくとも、1/3以上の割合の持ち株比率を持ち、経営の意思決定に影響力をもたらすことができなければ、事業継承という視点からもM&Aという視点からも不十分です。

このため、第三者割当増資を行ったうえで、いったいその結果としてどうなるのかを正確に予測しなければなりません。

幸いにも、現状の株式がどのくらい発行され、それの価額がどうであるのかなどの重要な数値は前もって知ることが可能です。

そのうえで、適切な持ち株比率を維持して、適切な時期を持って元役員から株式譲渡方式で全株を買い取り100%子会社化するなどの方式を使って、会社の経営権を取得していくことが考えられます。

第三者割当増資による事業継承は、お互いの友好関係を築く上では最適ともいえる手段ですが、買い手側にとってはリスクの大きな手法と評価することもできるでしょう。

第三者割当増資における失敗しない事業継承とは

そもそも第三者割当増資は、今ある会社における資本政策の一環であり、資金調達の手法です。

ここに株式の持ち株比率という事実があるからこそ事業継承にも活用できるのです。

第三者割当増資を活用した事業継承は、時間のかかる方法といえるでしょう。

そのため、お互いの協力関係が何よりも重要です。

コミュニケーションを重視し、お互いの信頼関係をうまく醸成することで、失敗しない事業継承が可能となります。

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