ホームへ戻る

カテゴリー

新着記事

ここ1ヶ月間の人気の記事

M&Aの基本知識を押さえる!

M&Aにかかわる独占禁止法の規制

M&Aにかかわる独占禁止法の規制

M&Aと独占禁止法はどのようにかかわっているのでしょうか。これは、大型のM&A取引にかかわる問題でもあります。ある程度の規模以上の企業がM&Aを行っていく際には必ず注意が必要です。もし、この独占禁止法に引っかかると、最悪M&Aを中止しなければならなくなります。

独占禁止法の簡単な概要

独占禁止法は、正式名称「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。

公正かつ自由な競争を促進・保護し、会社や経営者が地涌的な判断で自由に活動できるように整えるのが、独占禁止法の目指すところといえるでしょう。

市場メカニズムを正しく動かすことは、消費者だけでなく会社や経営者、さらには従業員も守ることに繋がります。

独占禁止法を管理しているのは公正取引委員会です。

独占禁止法に違反した場合、違反事業者については課徴金が、被害者は損害賠償の請求ができます。

この損害賠償は故意・過失を問いません。

また、独占禁止法に違反した企業や業界団体の役員に対しても罰則規定が設けてあります。

このように、市場メカニズムを守れない人や組織、企業は市場から脱落してもらうというのも、独占禁止法の働きともいえるでしょう。

M&Aと独占禁止法

基本的に大型のM&A取引が発生する場合、独占禁止法に引っかかる可能性があるため用心しなければなりません。

独占禁止法では、M&A取引においては主に2つの規制を設けています。

独占禁止法が設けている規制① 実体規制

実体規制は実体、すなわちM&A取引自体を規制しています。

そのため、この規制に抵触する場合は、そもそもM&A取引自体が禁止されているのです。

独占禁止法の中では、「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」「不公正な取引方法」によるものと表現されています。

M&Aが市場メカニズムにおける競争に与える実質的な影響を評価しているといえるでしょう。

M&Aの仕組み自体は、別段独占を謳うものではありませんし、独占をするためにM&Aを行おうとする人は少ないのではないでしょうか。

しかし、大型のM&Aを行う場合、本来公正に競争しあっていた両社が手を結ぶということにもなり、市場プレイヤーの数が減り、大型のプレイヤーが参入するという形になります。

そのため、独占禁止法における弊害が出てくる可能性が高いものを監視しようとしているのです。

具体的には、競争プレイヤーが減少した関係でM&Aを行った企業が、価格に対して容易に引き上げたり引き下げたりするだけの影響力を発揮できる環境が出来上がる、新規参入を目指しているプレイヤーを排除することになるなどの条件がそろうと、独占禁止法の実体規制に抵触する場合があります。

独占禁止法が設けている規制② 届出規制

一定規模以上のM&Aが発生する場合、事前に届け出をすることが独占禁止法には規定されています。

届け出先は公正取引委員会です。売上高などの関係で3つの要件に抵触する場合は必ず届け出が必要になります。

  • ① 買い手側企業の国内売上高合計額が200億円を超える場合
  • ② 売り手側企業の国内売上高が50億円を超える場合
  • ③ 買い手側企業の株式取得により買い手側企業と売り手側企業の保持株式の合計が、議決権保有割合において、20%または50%を超える場合

金額が非常に大きいため、言わんとしていることはわかると思います。

基本的に、上場を果たした企業同士のM&Aと考えても構わないでしょう。

①については、買い手側がグループ企業となっている場合、その子会社なども含めたすべての会社の合計額となります。

この事前届出の対象となる場合は、届け出が受理されてから30日の間はM&Aの取引を進めてはなりません

また、受理されなかった場合、M&Aが認められなかったともいえるでしょう。

また、この届出を行う際には必ず、株式取得に関する計画書や契約書の写し、事業報告書などの様々な書類が必要になります。

詳しい内容は必ず公正取引委員会の規則1号第2条の6第2項を参考にしてみてください

まとめ

独占禁止法にかかわるM&Aは取引額や企業が大きければ大きいほど問題になるでしょう。

M&Aを行っていこうとする当事者たちは、別段市場を独占したり何かコントロールしたりしたいとは考えていないことが多いと思います。

しかし、規則は規則。知らなかったでは済まないこともあり得るのです。

ぜひ、専門家の意見に耳を傾けつつ、失敗しないM&Aを進めていきましょう。

こちらの記事もよく読まれています。