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「M&Aによる事業承継講座」その16

M&Aにおける事業統合(PMI)の重要性

M&Aにおける事業統合(PMI)の重要性

戦略としての M&Aは、M&Aプロセスの終了をもって完成するものではなく、本来の目的は、M&A後の事業統合(PMI)にあります。 そこで今回は、M&Aにおける事業統合がなぜ重要なのか、また、そのポイントは何かといった点を中心に見ていきたいと思います。

新体制のもとM&Aの目的を達成するために認識すべきこと

M&A後の事業統合によりシナジー(相乗)効果を最大限発揮し、企業価値が継続的に増加することではじめて成功したといえます。

しかし、こうした事業統合の認識が不十分なまま、M&Aの各々のプロセスを進めていくと、なぜこの作業を行っているのか、次に何を行うのかといったことがわからなくなってしいます。

このような M&Aの本来の目的を、認識・共有していないと、中途半端なM&Aに終わってしまったり、途中で M&Aそのものがブレイクしてしまいます。

M&Aにおける事業統合がなぜ重要なのか

M&Aにおける事業統合がなぜ重要なのか。

それは、事業統合によるシナジー効果と企業価値の継続的増加こそが、 M&A戦略の目的そのものだからです。

M&A戦略上の目的は、明確な経営理念・経営ビジョンにもとづく事業統合とシナジー効果による継続的企業価値の増加を行っていくことです。

こういった認識が不十分なため、目先の M&Aのプロセスにのみ専念してしまい、その後の事業統合がうまくいかず、財務・会計システム、人事労務システム、情報システムなどとりあえ事業やシステムを統合してみても、思ったように機能せず不具合が生じてしまうのです。

企業間の異なる価値観や手法がときに、なじまないことも

本来、M&Aは、異なる経営理念・経営ビション、企業文化・企業風土、人事制度、情報システム等をもつ、買手側企業と売手側企業がひとつになるわけですから、双方の従業員やその他の利害関係者の間に不協和音が生じることも十分あり得ます。

こうした状況に対して、何ら有効な対応策を立てないでいると、統合後の企業の業務は停滞してしまい業績にも悪影響が生じ、従来の取引先企業、金融機関も取引を手控え、有能な従業員の離職といった事態を招くことにもなりかねません。

その結果、M&Aは失敗に終わり、何のために多くのコストや時間そして労力を費やしたのかということになって、途方にくれるのです。

そこで、こうした事態を回避し、事業統合に実効性をもたせるには、事業統合を実際に実行していくスタッフの間で、明確な経営理念・経営ビジョン、経営戦略、経営指針、すなわち企業のあるべき形といったものを M&Aに先立って、十分認識・共有し、 M&Aプロセスを進めていくことが重要です。

事業統合を行う上でのポイントは

事業統合を実行していく際の重要なポイントとしては、まず、異なる企業文化・企業風土の融合・統合、そしてシナジー効果、さらにこれらを実現するための強いマネジメント力などがあげられます。

これらの事業統合におけるポイントについて見ていきましょう。

異なる企業文化・企業風土を融合・統合することの重要性

事業統合は複数の企業の異なる企業文化・企業風土、そしてさまざまなシステムをひとつの企業に統合するプロセスです。

異なる企業文化・企業風土、人事制度、情報システムなどのもとでは、従業員の業務に対する取り組み、モチベーションも異なるため、M&A後の事業統合を阻む原因となってしまうリスクがあります。

そのため、デューデリジェンスの時点までに、その後の事業統合での障害となり得る点の洗い出しと把握をしておき、その後の事業統合がスムーズに行えるよう、時間をかけて対応策を取る必要があります。

シナジー効果の重要性

事業統合直後は、どうしても業務の効率が悪化してしまうため、売上は低迷し、収益・利益といったものも思うように出せません。

その後、融合が進むことにより事業統合によるシナジー効果が出てきます。

こうしたシナジー効果を早期に出すためには、M&Aをはじめる時点までに、経営戦略上の目的、目標といったものを明確にしておくことが大切です。

そして、M&A後の事業統合によりシナジー効果が発揮され、それによりコストを吸収し、売上が伸び、利益が増えるといったプラスのスパイラルによる、継続的な企業価値の増大がもたらされるといったことをスタッフ全員が認識し、共有することが必要です。

マネジメント力の重要性

企業文化・企業風土、人事制度、情報システムなどの融合、そして、シナジー効果の最大化による企業価値の増大といったM&Aの目的の達成は、強力なマネジメント力によって可能になります。

通常、買手側企業と買収された売手側企業では、マネジメント力に差があります。

双方を平等に取り扱おうとすると、低いレベルのマネジメントシステムが採用され、結果として事業統合が中途半端に終わってしまうことになりかねません。

双方企業から優れたマネジメントシステムやマネジメント力のあるスタッフを重用することで、事業統合を効果的に実行していくことが可能になるのです。

まとめ

少々難しい内容となってしまいましたが、M&Aにおける 事業統合(PMI)の重要性とポイントについて解説してみました。

M&Aで最も重要なことは、 M&A戦略の目的、すなわち、 M&Aによる事業統合後のシナジー効果と企業価値増加の実現です。

そして、 M&Aはその目的を実現させるための有効な手段であって、目的ではないということです。